2025-12-03

AnthropicがBunを買収!AI開発の未来が変わる

AnthropicがBunを買収!AI開発の未来が変わる

執筆: API総研編集部 (編集部)

AI開発のゲームチェンジか。AnthropicがBunを買収

2025年12月2日、AI企業のAnthropicは、超高速JavaScriptランタイム「Bun」の買収を発表しました。 これは、同社のAIコーディングツール「Claude Code」が一般公開からわずか半年でランレート売上10億ドルを達成するという驚異的な成長を遂げる中での戦略的な一手です。

このニュースは、単なる企業買収に留まりません。AIがコードを書き、そのコードが実行されるインフラの重要性が増す新時代の幕開けを象徴しています。この記事では、今回の買収がエンジニアの開発体験に何をもたらすのか、そしてAI開発の未来がどう変わるのかを、最前線でAI活用を推進するECU株式会社のFDE(Forward Deployed Engineer)の視点から深掘りします。

そもそもBunとは?Node.jsを超える超高速JSランタイム

「Bunって名前は可愛いけど、何がすごいの?」と感じる方もいるかもしれません。Bunは、JavaScriptとTypeScript向けの、とてつもなく高速なオールインワン・ツールキットです。

  • 圧倒的な実行速度: 従来のNode.jsやDenoがChromiumのV8エンジンを使うのに対し、BunはSafariのJavaScriptCoreエンジンを採用。 さらにコア部分はZigという低レベル言語で書かれており、起動時間や実行速度、メモリ使用量で劇的なパフォーマンス向上を実現しています。
  • オールインワン設計: これまで別々にインストールが必要だったランタイム、パッケージマネージャー(npm, yarnの代替)、バンドラー(webpackの代替)、テストランナーが全て統合されています。 これにより、開発環境の構築が劇的にシンプルかつ高速になります。
  • Node.jsとの高い互換性: 多くのNode.js APIと互換性があり、既存のプロジェクトからの移行もスムーズに行えるように設計されています。

簡単に言えば、「npm installが数分かかっていたのが数秒で終わる」「TypeScriptのトランスパイル設定に悩まされない」といった、エンジニアが日常的に直面する小さなストレスを解消し、開発のフローを劇的に改善してくれるツールです。

止まらない!Claude Codeの急成長

今回の買収の背景には、Claude Codeの爆発的な成長があります。2025年5月にClaude Opus 4Claude Sonnet 4と共に一般公開されたこのAIコーディングツールは、瞬く間に世界中の企業で採用されました。 わずか半年でランレート売上10億ドルを達成するという驚異的なペースで成長しています。

  • エージェント型コーディング: 単純なコード補完に留まらず、より自律的に動作する「エージェント」として、コードの生成、テスト、デプロイまでをこなします。
  • エンタープライズでの採用: Netflix、Spotify、KPMG、L'Oréal、Salesforceといった名だたる企業が導入しており、ミッションクリティカルな開発現場でその価値が証明されています。
  • 常に最新モデルと連携: 11月にリリースされた最新モデルClaude Opus 4.5との組み合わせで最高のパフォーマンスを発揮しています。

なぜBunだったのか?買収の「技術的必然性」

今回の買収は、単なる事業拡大ではありません。Bun公式ブログで「Bunが壊れればClaude Codeも壊れる」と記されるほど、両者は密接な依存関係にありました。

実は、Claude Codeのコマンドラインツールは、Bunの実行ファイルとして数百万のユーザーに配布されていたのです。Bunの「単一の実行ファイルにコンパイルできる」という特徴が、複雑な依存関係なしにClaude Codeをユーザーに届ける上で不可欠でした。

Anthropicの最高プロダクト責任者(CPO)であるMike Krieger氏(Instagramの共同創業者)は、「Bunは、我々がAnthropicに取り入れたいと考える技術的卓越性をまさに体現している」と述べており、Bunチームの合流によってこの成長の勢いを複利的に加速させられると期待を寄せています。

エンジニアにとって何が変わるのか?

今回の買収と両社の連携強化は、開発者にとってポジティブな変化をもたらします。

  1. Bunのオープンソース継続: Anthropicは、Bunが引き続きオープンソース(MITライセンス)として開発され、すべてのJavaScript/TypeScript開発者のためのツールであり続けることを明言しています。
  2. パフォーマンスと安定性の向上: Anthropicという強力な後ろ盾を得て、Bun自体の開発が加速します。これにより、Claude Codeユーザーだけでなく、すべてのBunユーザーが恩恵を受けられます。
  3. シームレスなAI開発体験: AIが生成したコードを実行し、テストするサイクルがこれまで以上に高速になります。これは、AI駆動開発(AI-Driven Development)が、特別なものではなく当たり前の開発スタイルになる未来を加速させます。

実践者の視点:ECUのFDE事業から見たインパクト

私たちECU株式会社は、FDE(Forward Deployed Engineer) という形態で、お客様の経営層直下に入り込み、AI戦略の策定から実装までを一気通貫で支援しています。 FDEは、経営、AI、エンジニアリングのスキルを駆使し、事業KPIへの貢献をミッションとする新しい職種のエンジニアです。

私たちの現場では、Claude Opus 4.5Claude Codeのような最先端ツールを日常的に活用しています。今回の買収は、FDEが提供する価値をさらに高めるものだと確信しています。

  • 実装スピードのさらなる加速: Claude Codeが反復的な実装を自動化し、FDEはより本質的なアーキテクチャ設計や事業課題の解決に集中できます。Bunによるインフラ強化は、このサイクルをさらに高速化させます。
  • 知見の内製化を促進: FDEの重要な役割の一つに、プロジェクトを通じてお客様の社内に知見を移転し、自走できる組織を構築することがあります。 より安定し、高速になったClaude CodeとBunのツールチェインは、お客様のエンジニアがAI開発にスムーズに取り組むための強力な武器となります。
  • 非エンジニアにも広がるAI開発の可能性: Bunはランタイム・パッケージマネージャー・バンドラーを単一バイナリに統合しており、従来のNode.js環境のような複雑なセットアップが不要です。Claude Codeと組み合わせれば、「AIにコードを書かせてその場で動かす」体験がこれまで以上に手軽になります。エンジニア以外のビジネスパーソンにとっても、ローカルでの開発・実行環境のハードルが大きく下がる可能性があり、AI活用の裾野をさらに広げる一手と見ることもできます。

ECUでは、このような最先端のAIツールを駆使して、企業の変革をドライブすることにやりがいを感じるエンジニアを常に探しています。今回のニュースは、私たちが働く環境の面白さと将来性を象徴する出来事です。

Q&A:よくある質問

Q1: Bunは今後も無料で使えますか?

A1: はい。AnthropicはBunが今後もオープンソースかつMITライセンスで維持されることを明言しています。引き続き無料で利用できます。

Q2: Node.jsはもう不要になりますか?

A2: すぐに不要になるわけではありません。Node.jsには巨大なエコシステムと長年の実績があります。しかし、Bunは高い互換性を持ちながらパフォーマンスで圧倒しているため、特に新規プロジェクトにおいてはBunを選択する開発者が今後ますます増えていくと予想されます。

Q3: FDEとは何ですか?

A3: Forward Deployed Engineerの略です。経営層の直下で最大限の権限を持ち、AI戦略立案から実装、組織への知見移転までを担うエンジニアです。従来の受託開発とは異なり、事業KPIへの貢献にコミットし、顧客と一体となってAI改革を推進します。

まとめ:AIがインフラを定義する時代の到来

AnthropicによるBunの買収は、AIが単なる「便利なツール」から、開発の「基盤(インフラ)」そのものを再定義するフェーズに入ったことを示しています。AIがコードを生成する速度が上がれば上がるほど、そのコードを受け止めるランタイムやツールチェーンのパフォーマンスがボトルネックになります。

今回の買収は、そのボトルネックを解消し、AIによるソフトウェア開発を次のステージへと押し上げるための必然的な一手と言えるでしょう。開発者として、このエキサイティングな変化の波に乗り遅れないようにしたいものです。


API総研編集部(ECU株式会社)

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