4月18日、Claude Designがリサーチプレビューとして発表された。
Introducing Claude Design by Anthropic Labs: make prototypes, slides, and one-pagers by talking to Claude.
— Claude (@claudeai) April 17, 2026
Powered by Claude Opus 4.7, our most capable vision model. Available in research preview on the Pro, Max, Team, and Enterprise plans, rolling out throughout the day. pic.twitter.com/2BgBGtgYGX
挙動が若干不安定な部分もあるが、Anthropicが視覚性能の大幅向上を公表しているOpus 4.7を利用していることもあり、いわゆるAI感が薄れデザインの質が大きく改善した印象がある。
個人的に驚いたのが、動的なスライダーでUIの調整ができるだけでなく、要素の直接編集が今の時点で備わっていたことだった。AIでラフを作って細かい手直しをFigmaでやっていくみたいな最近多かったデザインプロセスが今後また大きく変わっていく予感がしている。
でかいことをやろうとすると踏み潰される感覚
後出しでネチネチ言ってもしょうがないが、これに近いものを自社で作ろうと構想を練っていた。
元々は自社HPをノーコードCMSのSTUDIOで運用していたが、AIの恩恵を受けにくいためCloudflare / Astroへ移管し、Claude Codeで素早く更新できるようにした。ただプロンプトでの細部調整には手間がかかり、アイコンなどに「AI感」も残る。そこでAIで作ったベースを直接手直しできるエディタを構想していた。
Claude Designが発表され、やはりかという思いを持ちつつも、Anthropicのスピード感は毎回予想を超えるなとしみじみ感じた。
また2026年4月8日にPublic Betaとして発表されたClaude Managed Agentsも同様で、元々自社のバックオフィス自動化の文脈でCloudflare上にエージェントの実行基盤を構築しようとしていた。
そんな時期にAnthropicがホスティングの部分も含めたエージェント実行基盤を公式に提供したことで(こちらもまだまだ挙動は不安定だが)、自社で多大なコストを払って投資すべき領域ではないと判断した。
会社や人ごとに個別化された課題を解決するためのビルドはまだまだいろいろなところで価値を発揮できるが、一般的な広い課題をプロダクト開発というソリューションだけで拾いにいこうとすると容易に踏み潰されるという実感を改めて持った。
ソフトウェア単体で勝つ発想を捨てる
爆発的な予算や潤沢な顧客基盤を抱えているわけではない我々のようなスタートアップがこれから大勝負を仕掛けていく場合、「良いソフトウェアを作る」ことだけで大勝利を収めるのは相当難しくなっている。

2023年3月のChatGPT API公開以来、AIに向き合うソフトウェア開発の主眼はチャットボットのような簡単なLLM組み込みアプリの開発に始まり、昨年頃からは複雑な業務を実行できるようなAIエージェントやその実行基盤の構築という方向にシフトしてきている。
一方でAnthropicやOpenAIのようなプラットフォーマーはモデルの開発から始まり、Claude Managed Agentsのような実行基盤や今回のClaude Designのようなキラーアプリの開発へと領域を徐々に拡大している。
このような環境では、ソフトウェア企業は
- 実行基盤や普遍的な課題を解決できる大きなアプリケーション構築はプラットフォーマーに飲み込まれていく
- 実行基盤の進化に伴い、個別課題を解決するスモールアプリの構築ハードルや模倣の難易度もさらに下がっていく
という状況で、どのレイヤーで勝負するにもソフトウェア単体で勝っていくのは相当難しいのではないかと考えている。
「浸透」と「責任」で戦っていく
時代の変化の早さに毎月のように驚かされているものの、一方で他業界の友人などと話すと、このAIの騒ぎは本当にソフトウェア業界に閉じているなと実感する。ソフトウェア業界の中でも、受け止める温度感や導入のスピード感は会社によって大きな違いがあるようにも思う。
馬田隆明氏のブログ記事では、技術と組織の変化速度の非対称性について、以下のような言及があった。
技術の性能やコストは非線形に変わっていく一方で、組織や制度といった補完的な仕組みは線形にしか変わりません
まさにその通りだと思う。どこまで激しい速度でAIやその周辺技術が進化しても人間側が全然追いついていないのが実情だと強く感じている。Anthropicの速度を基準に社会を見渡してしまうと、あまりにも多くのものを見落としてしまうことになってしまう。
このような時代において我々のような開発会社は
- 浸透: 人々が技術の恩恵を最大限享受できるように、あらゆる角度からボトルネックを地道に潰し技術と社会のギャップを埋めていくこと
- 責任: アプリケーションが簡単に作れるようになった時代だからこそ、アプリケーションが長く安全に使われることに責任を持つこと
という2点で価値を出し続けていくべきだと考えている。