AI 費用はエンジニア1人あたり月10万円。稟議に書く予算の決め方
執筆者
Rui Onodera CTO
前回の記事までは、AI 導入の効果の話でした。今回は、その効果を得るための費用と予算感です。
ECU では、従量課金のプランで上限を置かずに AI を使った結果、毎月の費用はエンジニア1人あたり10万円前後になっています。
この上限をどこに置くのかによって、稟議に書く予算は変わります。
ECU では1人あたり月10万円
法人向けの AI は、2025年から2026年にかけてエンタープライズプランが従量課金制に移りました。そのため、これから導入する場合に月額がいくらになるのかを見積もることが難しくなりました。私も度々「だいたい月額いくらくらいを見ておけばいいですかね?」と質問されるようになりました。
システムに組み込む場合は、プロンプトの設計や API の呼び出し回数、利用者数などで決まるので一概には言えません。ただし、これらは仕様から個別に見積もれます。事業側に導入した場合については、まだ数字で語れる段階ではないので今回は割愛します。この記事で書くのは、エンジニア組織に導入した場合の話です。
ECU では上限を置かずに従量課金で使っており、毎月の費用はエンジニア1人あたり10万円前後で推移しています。
エンジニアの9割は月10万円に収まる
Anthropic が公開している Claude Code の企業利用では、平均がエンジニア1人あたり月2〜4万円で、利用者の9割は稼働日1日あたり5,000円未満に収まっています。月にすると10万円前後です。ECU の実測も、だいたいこの範囲です。
AI の利用額は人によって大きく違います。ECU でも、月間の利用額が中央値の5倍近いエンジニアがいます。なので上限には平均値や中央値を採用するのではなく、大半のエンジニアが達しない金額に設定する必要があります。
稟議に書く予算は上限×人数
稟議に書く予算は、1人あたりの月間の上限に人数を掛けた金額です。エンタープライズプランでは、ユーザーごとに月間の上限を設定できます。上限を置けば、それを超える請求は来ません。初めて導入する場合は、エンジニア1人あたり月10万円を上限にするといいと思います。100人なら月1,000万円が予算になります。これに人数に応じたシート料金が加わりますが、従量課金分に比べれば小さな額です。
上限に達した人を見ると分かること
上限に達する人が出たとき、それが仕事の量なのか無駄なのかは、金額だけでは分かりません。ECU でも、気付かないうちに高速モードを有効なまま使っていて、トークン量だけが膨らんでいたことがありました。一方で、コミット1件あたりの費用には人によって数十倍の開きがあり、AI をうまく使い費用を抑えながら成果を出している人もいます。
上限に達した理由を探れば、上限を緩めるか、使い方を改めるかを判断できます。
2026年9月現在の予算感
エンジニア1人あたり月10万円は、2026年9月現在の目安です。AI の利用料は同じ性能なら1年で10分の1になるほど下がり、使い方も目まぐるしく変化しており、この目安もすぐに過去のものになるでしょう。
まず上限を置いて運用を始め、日々の利用状況を観察しながら、自社に合った上限に調整していくのがいいと思います。
出典
- Anthropic「Manage costs effectively」: https://code.claude.com/docs/en/costs
- Anthropic「Claude Enterprise, now available self-serve」: https://claude.com/blog/self-serve-enterprise
- OpenAI「Codex now offers pay-as-you-go pricing for teams」: https://openai.com/index/codex-flexible-pricing-for-teams/